傘
雨の降る日は子供の頃を思い出す
雨の日は傘がないので学校を休み
一日中窓の外を眺めて過ごした
弟や妹も学校を休み
新聞紙で折り紙をしていた
中学生になって新聞配達を始めた
雨の日は雨合羽を店が貸してくれた
弟や妹は学校には行かず
田んぼで蛙をつかまえていた
初めてのバイト料で傘を買った
傘は思っていたほど高くなかった
弟や妹にも傘を買った
雨の日は楽しそうに見えた
傘がなかった頃の恥ずかしさを
今 恥じらいと苦笑いとともに思い起こす
雨の降る日は子供の頃を思い出す