日和見的平和主義]T

BGM:turas song

 14/6/11]オメデタ大国の再来とその裏に隠された危機

 

 サッカーワールドカップで日本列島全体がオメデタ状態になっている。

 自分で物事を吟味し考えて行動できない人間が多い日本にとっては、格好の便乗イベントだ。

 一昨日は日本がロシアに勝つという、世界が驚愕した大番狂わせによって日本の決勝トーナメント進出はほぼ決定した。

 僕は決してサッカーが嫌いではなく、ゴール前のエキサイティングなプレーなど、駆け引きと肉体と技術のぶつかり合いなどでは興奮するし、むしろファンの部類である。

 世界で最も愛されているスポーツがサッカーだ。 それはいつでも何処ででも誰もがお金をかけないでプレーできて、ボールを全員が追い続けるという一体感があるからだと思う。

 だから数日前のフランス-ウルグアイだったかな? あの試合なんて、トイレも我慢してTVにしがみつくほどハイレベルでエキサイティングな内容だったから、その夜は興奮してなかなか寝付けなかったものだ。

 そんなサッカーで日本列島はお祭り騒ぎになっており、TVでは連日稲本のシュートの画面を飽きもせず流し、小泉首相が下手くそなパホーマンスをしている映像を流したり、日本で最も下品な人間が住んでいるどうしようもない関西では、道頓堀川にアホ人間が公称40名ほど飛び込んだり(100人以上も飛び込んだという話もある)、もはや人々の日常生活がサッカーなしでは回らないかのごとくなっている。

 しかしこれはちょっと危険な状態なんだ。

 確かになんでもすぐに忘れ去り、物事が起こってしまってから対処する日本人にとっては、こんなサッカーお祭りは開催中だけで、終ってしまうと毎年のクリスマスの翌日のように醒めたシラケ鳥が飛んでいる雰囲気になってしまうだろう。

 でも問題はどうあれ、若者は何かイベントがあれば、自分の主体的行動かどうかも疑問を持たずに動くという全体主義の兆候は確認できたわけだし、日本国民は政治には全く無関心だが、何も難しく考えなくても楽しくワイワイできる方向には一体となってなびいて行くということが証明された訳だ。

 皆の関心がアッチ向いているこんな時期に、裏でほくそ笑んでいるのは、相変わらず腹の黒い私利私欲だけの政治家だということが分からないんだね。

 僕は一体何が言いたいかというと、サッカーは確かにエキサイティングで面白いが、あくまでも新聞紙面の一コラム的見方をしないといけないということなんだ。 先導的役割を担っている日本のTV・雑誌が、冷静かつ的確な報道をしないということが最も罪なんだけどね。

 


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